検診の案内が来ても行けないまま|子宮頸がん・乳がん検診との付き合い方
封筒は届くのに、毎年そのままになっている。検診が何を見るものなのか、行きづらさはどこから来るのかを、受けると決める前に整理しておくための記事です。
封筒は届くのに、毎年そのままになる
自治体からの検診の案内や、職場の健診の申込用紙。届いたときは受けようと思っていたはずなのに、期限を過ぎて気づく。翌年また同じ封筒が届いて、同じことを繰り返している。そういう状態が何年か続いている人は珍しくありません。
後回しになる理由は、忙しさだけではないことが多いです。何をされるのかがよく分からない、痛いと聞いたことがある、悪いものが見つかったらどうしようという気持ちが混ざって、優先順位を下げる方向に働いています。まずは、その正体を分けて見ておきます。
「検診」と「症状があるときの受診」は別のもの
同じ婦人科に行くことでも、この二つは目的が違います。検診は症状がない人を対象に、自覚のない段階で変化を拾うために行われるものです。一方、出血が続く、しこりに気づいた、痛みがあるといった症状があるときは、検診の順番を待つのではなく受診する場面になります。
この違いを知らないまま、「特に困っていないから検診はいらない」と判断してしまうことがあります。困っていないときに受けるものだ、という前提を先に置いておくと、案内が来たときの受け止め方が少し変わります。
何を、どのくらいの間隔で受けるものとして案内されているか
国の指針では、女性を対象としたがん検診として子宮頸がん検診と乳がん検診が示されており、対象年齢と受ける間隔の目安が決められています。自治体はこれをもとに案内を出しているため、届く封筒の中身は住んでいる場所によって少しずつ違います。
下の表は、一般的に案内されている枠組みを整理したものです。年齢の区切りや自己負担の有無、追加で受けられる検査は自治体や職場の制度によって差があるので、実際に受けるときは手元の案内で確認してください。
| 検診 | 対象として案内されることが多い年齢 | 間隔の目安 | 主な方法 |
|---|---|---|---|
| 子宮頸がん検診 | 20歳以上 | 2年に1回 | 問診と子宮頸部の細胞診 |
| 乳がん検診 | 40歳以上 | 2年に1回 | 問診とマンモグラフィ |
行きづらさは、恥ずかしさだけではない
検診に足が向かない理由を聞かれると「恥ずかしいから」と答えたくなりますが、実際にはもう少し細かい要素が積み重なっています。診察台の姿勢、初めての場所、痛みへの不安、待ち時間の長さ、平日しか受けられない時間帯。どれか一つが大きいというより、全部が少しずつ効いています。
そして一番重いのは、見つかったときのことを考える負担かもしれません。知らないままでいれば今日は困らない、という感覚は、責められるようなものではありません。ただ、その気持ちがあることを自分で認識しておくと、先延ばしの理由を「忙しいから」と誤解せずに済みます。
- 何をされるか分からないこと自体が不安の大きな部分を占める
- 予約や移動の手間は、体調が悪い時期ほど重く感じる
- 結果を知る覚悟が要ると思うと、判断そのものを先送りしたくなる
見通しが立つと、決めやすくなる
当日の流れがある程度分かっているだけで、行くかどうかの判断はしやすくなります。多くの場合、受付と問診票の記入があり、着替えて検査を受け、後日または後日郵送で結果が届く、という順序で進みます。検査そのものにかかる時間は、待ち時間に比べれば短いことがほとんどです。
不安が強い場合は、予約の電話や窓口で先に伝えておくという方法があります。初めてであること、痛みが心配であることを事前に共有しておくと、説明の仕方や進め方を配慮してもらえることがあります。その場で言い出せなくても、問診票の余白に書いておけば伝わります。
- 予約時に「初めてです」と伝えておく
- 生理と重なりそうな時期は、予約前に相談する
- 着脱しやすい服装で行くと当日の負担が減る
「要精密検査」と出たときに知っておきたいこと
検診の結果に精密検査が必要と書かれていると、それだけで確定の知らせのように感じてしまいます。ただ、検診はふるいにかける仕組みなので、詳しく調べる必要がある人を広めに拾う設計になっています。精密検査に進んだ人のすべてに病気が見つかるわけではありません。
大事なのは、この段階で止まらないことです。怖くて封を開けられない、予約を取れないまま数か月が過ぎる、という形で中断してしまうと、検診を受けた意味が薄れてしまいます。結果の読み方が分からない場合は、検診を受けた機関や記載された連絡先に問い合わせてかまいません。
受けるかどうかを、自分で決めるために
検診は義務ではなく、受けない選択もあります。ただ、選択と言えるのは中身を知っている場合だけで、よく分からないまま封筒を置いておくのは、決めているというより保留している状態に近いかもしれません。今年受けないと決めるのでも、決めたほうが気持ちは軽くなります。
からだのことを人任せにしない、という感覚は、検診に限った話ではありません。自分の体で何が起きているかを知る手段をいくつか持っておくことは、日々の不調に気づく力にもつながっていきます。