生理周期と体調の波|記録のしかたと婦人科に相談する目安
毎月の不調を「いつものこと」で片づける前に。周期と体調をどう記録するか、どこからが相談したほうがよいラインなのかを、断定を避けて整理しました。
「いつものこと」で片づけてしまう前に
生理前後の不調は、長く付き合っているほど「自分はこういう体質だから」と説明がついてしまいます。毎月来るものなので比べる相手もおらず、つらさの程度が普通なのかどうかを確かめる機会がありません。
ここで役に立つのが記録です。感覚のままだと「今月もひどかった」で終わりますが、書き残しておくと、波の形と、本当につらい日がいつなのかが見えてきます。人に説明するときの材料にもなります。
周期は、思っているほど一定ではない
周期の長さには個人差があり、同じ人でも月によってずれます。一般に、25日から38日くらいの範囲がひとつの目安とされ、この幅から大きく外れる状態が続く場合や、以前と比べて明らかに変わった場合は相談の対象になると言われています。
ただし、体調・睡眠・ストレス・環境の変化などで揺れることもあります。1回のずれで判断せず、数か月分の並びを見るほうが実態に近づきます。
何を記録すると後で役に立つか
細かく書こうとすると続きません。1日あたり10秒で終わる量に絞るのがコツです。次の項目があれば、受診のときにもそのまま使えます。
| 記録する項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 生理の開始日と終了日 | 日付だけ。開始日が周期を数える起点になる |
| 出血の量の感じ | 多い/普通/少ない の3段階で十分 |
| 痛みの強さ | 0〜5の数字。薬を使った日は印をつける |
| 気分の上下 | 落ちた/普通/良い など短く |
| 眠り | 寝つき・途中で起きたか |
| その他 | 頭痛、むくみ、肌、食欲など気づいたことだけ |
- 手帳でもカレンダーアプリでも、続く道具ならなんでもかまいません
- 生理管理アプリは記録が早い一方、予測はあくまで予測です
- 書けない日があっても構いません。空欄のまま次に進みます
3か月分たまると見え方が変わる
1か月分では、その月がたまたまだったのか、いつもの形なのかが分かりません。3か月ほど並ぶと、落ちる時期がどのあたりに来るのか、痛みが強い日が何日目なのかといった傾向が読めるようになります。
傾向が分かると、対処の順番が変わります。つらくなってから何とかしようとするのではなく、来ると分かっている日に予定を詰め込まない、という組み方ができるようになります。
つらさの「目安」をどう考えるか
痛みやしんどさは主観的なもので、他人と比べて数値化することができません。そのため「これ以上なら異常」という一律の線を引くことはできません。代わりに、生活がどれだけ削られているかで考えるほうが現実的です。
- 仕事や学校を休む、または休みたいと思う日が毎月ある
- 市販の鎮痛薬を飲んでも動けない、または量が増えてきた
- 出血量が明らかに増えた、または期間が長くなった
- 以前はなかった痛みが出るようになった
- 気分の落ち込みが強く、日常の判断に影響している
婦人科は、異常がある人だけが行く場所ではない
受診をためらう理由として多いのが、「この程度で行っていいのか」という遠慮です。実際には、診断がつくかどうかに関わらず、状態を見てもらって記録が残ること自体に意味があります。次に何か起きたときの比較対象になるためです。
受診のときは、記録した紙かアプリの画面をそのまま見せるのが一番早いです。いつから、どのくらいの頻度で、どんなときにつらいのか。この3つが伝われば、口下手でも十分に話は進みます。
波に逆らわない予定の組み方
体調に波があること自体は、なくすことができません。できるのは、波の形を知ったうえで負荷のかけ方を変えることです。落ちる時期に大きな決断や人と会う予定を置かない、というだけでも消耗はかなり変わります。
睡眠・食事・体を動かすことは、合う人には助けになると言われています。ただし、これをやれば必ず楽になるというものではありません。合わないものを頑張って続けるより、自分に合う形を探すほうが現実的です。
体を責める癖をやめる
動けない日があると、意思が弱いからだと自分を責めてしまうことがあります。周期に伴う変化は、頑張りとは別のところで起きています。記録をつけていると、それが自分の性格ではなく体の波だったと分かる日が来ます。
自分の体のことを、自分がいちばんよく知っている状態に近づく。記録の目的は突きつめるとそこにあります。そのうえで判断がつかないところは、専門家に渡してしまってかまいません。