朝あごが疲れている・こめかみが重い|食いしばりと日中の緊張のつながり
起きた時点であごがだるい、頬の内側に噛んだ跡がある。眠っている間だけでなく、日中も無意識に噛みしめていることがあります。その気づき方と力の抜き方の話です。
起きた時点で、あごが疲れている
十分眠ったはずなのに、朝からあごがだるい。こめかみのあたりが重い。頬の内側に、歯の形の跡がついている。こうした状態は、寝ている間に強く噛みしめていた可能性を示すサインとして知られています。
本人には自覚がないことがほとんどです。音が出るタイプの歯ぎしりなら家族に指摘されて気づけますが、音を伴わずに噛みしめているだけの場合は、誰にも指摘されないまま何年も続くことがあります。
眠っている間だけの話ではない
食いしばりというと夜のものだと思われがちですが、起きている時間にも起きています。本来、上下の歯は会話や食事のとき以外は触れていない時間のほうが長いと言われています。ところが集中しているときや緊張しているときは、歯を合わせたまま固定してしまいやすくなります。
一回一回の力は強くなくても、その姿勢が何時間も続けば、あごまわりの筋肉は休めません。夜の分と昼の分が積み重なって、朝の疲れとして出ている場合もあります。
力が入りやすい場面を見つける
自分がどこで噛みしめているかは、意識しないと分かりません。まずは一日のうち、どんな場面で歯が合っているかを拾っていきます。多くの場合、特定の作業や姿勢と結びついています。
下の表は、よく挙がる場面と、そのときに起きていることの整理です。当てはめて診断するためではなく、自分の場合はどこかを探す手がかりとして使ってください。
| 場面 | 起きていること | 気づくきっかけ |
|---|---|---|
| パソコン作業に集中しているとき | 画面に顔を近づけ、口を閉じたまま固定 | 作業を止めた瞬間に口が開けにくい |
| スマホを見下ろしているとき | 首が前に出て、あごが引かれた姿勢が続く | 首の後ろと一緒に張っている |
| 重い物を持つ・力を入れるとき | 踏ん張るために一瞬強く噛む | その直後だけ痛む |
| 緊張する会話や連絡の前後 | 呼吸が浅くなり、口元に力が入る | 終わったあとにどっと疲れる |
| 寝つけない夜 | 考えごとをしたまま体がゆるまない | 翌朝のだるさが強い |
あご以外の場所に出ることもある
噛みしめに使われる筋肉は、こめかみや頬から首の方向へつながっています。そのため、あごそのものよりも先に、肩や首のこり、頭の重さとして感じられることがあります。肩こりの対処をいくら続けても変わらない場合、口元の力みが関わっていることもあります。
また、噛みしめている間は呼吸が浅くなりやすく、それ自体が緊張を保つ方向に働きます。体の一部だけの問題として見るより、全身が休めていない状態のあらわれとして眺めたほうが、対処の見当がつけやすくなります。
- こめかみ、頬、首すじがまとめて張っていないか
- 口を大きく開けたときに、動きにくさや音がないか
- 気づいたときに息を止めていないか
気づくための仕掛けを外に置く
力を抜こうと決意しても、無意識に起きていることは意志では追いきれません。現実的なのは、気づくきっかけを自分の外側に用意しておくことです。目に入る場所に小さな付箋を貼る、決まった時間に通知を出す、といった単純な方法で十分です。
気づいたときにすることも、複雑である必要はありません。歯を離す、唇は閉じたままにする、肩を一度下げる。この三つだけを決めておくと、思い出したときに迷わず実行できます。回数を目標にせず、気づいた回だけやる形にしておくほうが続きます。
- パソコンの画面の端や、よく見る場所に印を置いておく
- 気づいたら「歯を離す・肩を下げる」だけを行う
- できなかった日を数えない
ゆるむ時間を、一日のどこに置くか
日中ずっと力が入っている状態が続いていると、寝る時間になってから急にゆるめるのは難しくなります。夜だけで取り返そうとするより、日中に短い切れ目を入れておくほうが現実的です。数分の休憩でも、姿勢を変えて口元の力を抜くだけで違いが出ます。
入浴で温める、就寝前に画面を見る時間を少し減らすといった習慣も、緊張を持ち越さない方向に働きます。ただし、どれも即効性を期待するものではありません。しばらく続けても変化がない場合は、生活習慣の工夫の範囲を超えていると考えたほうがよいこともあります。
相談したほうがよい状態
セルフケアで様子を見てよい範囲と、専門家に見てもらったほうがよい範囲があります。歯の欠けやすり減り、詰め物が外れやすい、口を開けるときに痛みや音があるといった状態は、自分で判断するより歯科で見てもらったほうが早いです。マウスピースなど、噛みしめの負担を減らす方法についても歯科で相談できます。
また、噛みしめの背景に強いストレスや眠りの問題がある場合、口元だけを扱っても続きません。眠りが浅い日が長く続いている、日中の気分の落ち込みがあるといったときは、そちらも含めて相談先を考えてみてください。